2011年

 

<風響社通信 No.24> 2011年1月1日


 新年おめでとうございます。なんと1年ぶりとなってしまいましたが、通信24号をお届けします。今年もどうぞよろしくお願いいたします。



1,新刊のご案内


 ◎『内モンゴル自治区の文化大革命(2)』(楊海英編、2月刊行)

 ◎『韓国社会の歴史人類学』(嶋陸奥彦著、2月刊行)

 ◎『宮座と当屋の環境人類学』(合田博子著、2月刊行)

 ◎『広東の水上居民』(長沼さやか著、2月刊行)

 ◎『開発の社会史』(長津一史・加藤剛編、3月刊行)

 ◎『四川のチャン(羌)族』(李紹明・松岡正子主編、4月刊行)

 ◎『台湾原住民研究13号』(日本順益台湾原住民研究会編、4月刊行)

 ◎『ノモンハン事件(ハルハ河会戦)70周年2009年ウランバートル国際シンポジウム報告論文集』

                       (今西淳子・ボルジギン・フスレ編、4月刊行)

 ◎『交渉する東アジア』(上田崇仁・崔錫栄・上水流久彦・中村八重編、5月刊行)

 ◎『比較日本文化研究13号』(比較日本文化研究会編、6月刊行)

 ◎『黄土高原・緑を紡ぎだす人々』(深尾葉子・安冨歩編、8月刊行)

 ◎『韓国・朝鮮の文化と社会 9号』(韓国朝鮮文化研究会編、10月刊行)

 ◎ブックレット〈アジアを学ぼう〉4期7冊

   『海を渡った騎馬文化』(諫早直人著、10月刊行)

   『インドの「闘う」仏教徒たち』(榎木美樹著、10月刊行)

   『カザフの子育て』(藤本透子著、10月刊行)

   『はかりとものさしのベトナム史』(関本紀子著、10月刊行)

   『ミャンマーの土着ムスリム』(斎藤紋子著、10月刊行)

   『ミャンマーの女性修行者ティーラシン』(飯國有佳子著、10月刊行)

   『ミャンマー農村とマイクロファイナンス』(布田朝子著、10月刊行)

 ◎『東アジアにおける宗教文化の再構築』(鈴木正崇編、12月刊行)

 ◎『ブラジル日本移民百年史 3巻 生活と文化1』(百年史編纂・刊行委員会編、12月刊行)

 ◎『内モンゴル自治区の文化大革命(3)』(楊海英編、1月上旬刊行)

 ◎『馬淵東一と台湾原住民族研究』(笠原政治編、1月中旬刊行)



2,近刊予定のご案内


 ◎『中国民間祭祀芸能の研究』(廣田律子著、1月予定)

 ◎『新訂増補 古代カンボジア史研究』(石澤良昭著、1月予定)

 ◎『ヴェトナムのコホー族』(本多守著、1月予定)

 ◎『台湾における〈植民地〉経験』(植野弘子・三尾裕子編、1月予定)

 ◎『台湾原住民研究 14号』(日本順益台湾原住民研究会編、1月予定)

 ◎『現代台湾を生きる原住民』(石垣直著、2月予定)

 ◎『現代ビルマにおける宗教的実践とジェンダー』(飯國有佳子著、2月予定)

 ◎『中国伝統社会のエリートたち』(倉橋圭子著、2月予定)

 ◎『中国共産党・国民党の対内モンゴル政策』(ボルジギン・フスレ著、2月予定)

 ◎『浙江省舟山の人形芝居』(馬場英子編、2月予定)

 ◎『台湾タイヤル族の一〇〇年』(山路勝彦著、2月予定)

 ◎『マレーシアの華人教団徳教』(黄蘊著、3月予定)

 ◎『よみがえる死者儀礼』(藤本透子著、3月予定)

 ◎《あじあブックス2》『トナカイとラクダの遊牧民』(高倉浩樹・曽我亨著、3月予定)

 ◎《あじあブックス3》『フィールドに出かけよう!』(日本建築学会比較居住文化小委員会編、3月予定)

 ◎《あじあブックス4》『図説 上海』(岩間一弘・金野純他編著、3月予定)

 ◎〈京都文教大学文化人類学ブックレット〉3冊

   『中国系移民の故郷認識』(奈倉京子著、3月刊行)

   『インドネシアの学校と多文化社会』(金子正徳著、3月刊行)

   『海辺のカラオケ・「おやじ」のフォーク』(馬場雄司著、3月刊行)

 ◎『グローカリゼーションとオセアニアの人類学』(須藤健一編、今春予定)

 ◎《あじあ選書2》『老師の恋』(井口淳子著、今春予定)

 ◎『ベトナムの社会と文化8号』(ベトナム社会文化研究会編、今春予定)

 ◎『ウオッカとキムチをどうぞ』(池田貴夫著、今春予定)


 その他、遅れ気味のものも鋭意準備中です。



3,創業二〇周年


 1991年1月16日。小社が法人登記をした日付です。実際の出版活動はそれから2年ぐらい後、創業に向けて準備を始めたのはその2年ぐらい前ですし、特にこの日に事務所を開いたとか、具体的な出来事などありませんが、いちおう公的な法人の誕生日となります。


 そうですね。その日から決算処理をして法人税を払う立場となったという意味では、誕生日というよりいきなりの成人式のようなものでしょうか。


 いずれにしましても、ほかに画期を示す日付が思い当たりませんので、小社の大事な記念日となります。元の職場から人脈や企画を持ち出さず、わずかばかりの退職金や貯金をかき集めた300万円の出資金、自宅の一室にパソコン+DTPソフト、というまことにささやかな出発でした。


 大それた志とか信念・哲学などは持ち合わさず、自分が面白いと思える原稿を本にする、ことが唯一の方針(?)でした。小さな会社で生きていくためには、売れ筋を狙わず、テーマを絞り集中する、など定石は意識しましたが、あとは行き当たりばったり。今でも「出会い系」を名乗るほど、数多くの素敵な出会いによって支えられてきた20年だったかと改めて思います。


 これまで出会った著者・執筆者の方々、これから著者・執筆者になる方々、すべての方に感謝申し上げたいと思います。有難うございました。そして、これからもどうぞよろしくお願いいたします。


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 いずれも、詳細は小社ホームページをご覧下さい。

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【後記】

 振り返れば、当時としては最先端のDTPやパソコン通信(インターネット以前)を研究・導入し、文字通り手作りで一冊一冊送り出し、ここ数年は一人で作る限界値=年間20数点に到達していましたところ、世は電子ブックの時代へ。ふたたびゼロからのスタートを意識するこの頃とはなっております。


 そんな中、上記の近刊予定をご覧いただくとお分かりのように、年度末までに作らねばならない書籍がなんとなんと20点を超えております。昨年さぼっていたわけではありませんが、入退院をくり返した老妻の介護・看病やらここ数年の新刊ラッシュによる「勤続」疲労など個人的な事情に加え、これだけ企画がひしめきあうと文字通りボトルネック、映画館の火事状態、一人で処理できる限界をとうに超えてしまったということになります。


 おそまきながら、外部スタッフを充実させるべく、いろいろなツテで探しており、すでに数人の方には戦力となって頂いてます。一方では、金看板だった(?)DTPも棚上げして、印刷所等に外注して作業を促進するなど、なんとかこの急場をしのぐべく尽力しているところです。


 ただ、賀状を出し終えてほっとした元旦、よく考えてみますと、これでいいのかという思いも浮かんできます。上記の新刊はいずれも小社の(社主の)面白いと思える主題ばかりですし、ほとんどは小社でと望まれての企画ですから、まことに版元冥利につきる話ではあります。


 しかし、場合によっては全て外注と外部スタッフに作業をまかせて本が出来てしまうわけですから、果たしてこれが風響社の本なのかと、思えてくるわけです。もちろん信頼できるスタッフですし、私も出来るだけ関与します。世の出版物はそのように多くの手を経て作られているわけですから、ブランド維持のシステムさえきちんと作り上げればいい、だけのことではあります。


 でもでも、手配師編集者ではなく、自分の手で本を作りたいという創業の志は(先ほどはないなどと言いましたが)どこにいったのか。さらに、売上げや助成金などはほとんど全て印刷所への支払いで終わりという現実は、まるで印刷所の下請け、という逆転した構図もなんか長良川の鵜のようで悔しい。


 まあ、そんな複雑な思いも電子ブックの時代には解消されるかもしれません。著者によっては自分の原稿がそのまま本になるという考えの方もいますので印刷所代わりの余計な仕事は減ります。また、紙の本でなければ製作費はかなり削減されますし、作り込みも紙の本ほどの手間はかかりません。編集者はあまり余分のことを考えずに著者や原稿と向き合い、読者への届け方を考えて構成し、校正する、という本来の仕事に集中できます。


 また、今は大変手間な、流通への出荷入荷、倉庫と社の本の運搬管理、返品処理といったフィジカルな仕事は激減するでしょう。


 逆に大変になることもあります。紙の本の場合、流通や小売り現場での物理的限界があって人目に触れるものはごく一部にすぎませんでしたが、電子ブックの場合、すべての書籍が平等に人目にさらされます。アマゾンなど見れば分かりますが、大手であろうが零細であろうが、有名無名を問わず、すべてのコンテンツが羅列され、そして(売れ行きや口コミ情報によって)一瞬にして序列化されてしまいます。


 やがては、書店でふと面白い本を発見する、なんて素敵な出会いはなくなり、ブックは膨大な情報の一つとしてネット空間に浮遊し、検索や配列やタグなどによって呼び出されるワンオブゼムのコンテンツとしてのみ存在することになってしまうのでしょう。


 うーん、そうすると編集者の仕事が残るとすれば、やはり、ネット手配師とならざるを得ないのかもしれませんね。まあ、その頃には創業30年、会社寿命30年説によって(あるいは社主の老化によって)廃業している頃合いなのでしょうが。


 ちなみに、30年説を乗り越えて輝き続ける秘訣は、「収益性の高い事業への選択と集中やグローバルへの最適展開など」自己変革を続けられることだそうです。


 http://www.nikkei.co.jp/needs/analysis/04/a040922.html


 収益性を考えずに歩いてきた小社には耳の痛い話ですが、せいぜいタダで出来る自己変革の可能性だけは、頑固オヤジになる前に考えておきたいと思っているところです。


 そんなこんなでさっき、社員犬タローと八幡坂を登りながら、こう考えました。


 地道に働けば腹が立つ。情報に棹させば騙される。意地を通せば困窮だ。兎角にこの世は生きにくい、と。


 年度末までの修羅場を過労死もせず無事通り抜けられましたら、またご報告ご挨拶させて頂きます。皆さまにはよい一年でありますよう、心よりお祈りいたしております。


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<風響社通信 No.25> 2011年6月27日


通信25号をお届けします。


 1,新刊のご案内


 ◎『中国伝統社会のエリートたち』(倉橋圭子著、2月刊行)

 ◎『現代ビルマにおける宗教的実践とジェンダー』(飯國有佳子著、2月刊行)

 ◎『台湾原住民研究 14号』(日本順益台湾原住民研究会編、2月刊行)

 ◎『台湾における〈植民地〉経験』(植野弘子・三尾裕子編、2月刊行)

 ◎『浙江省舟山の人形芝居』(馬場英子編、2月刊行)

 ◎『中国共産党・国民党の対内モンゴル政策(一九四五~四九年)』(ボルジギン フスレ著、2月刊行)

 ◎『中国民間祭祀芸能の研究』(廣田律子著、3月刊行)

 ◎『台湾タイヤル族の100年』(山路勝彦著、3月刊行)

 

 ◎『比較日本文化研究 14号』(比較日本文化研究会 編、6月上旬刊行)



 2,近刊予定のご案内


 ◎『現代台湾を生きる原住民』(石垣直著)

 ◎『よみがえる死者儀礼』(藤本透子著)

 ◎『ヴェトナムのコホー族』(本多守著)

 ◎『グローカリゼーションとオセアニアの人類学』(須藤健一編)

 ◎〈京都文教大学文化人類学ブックレット〉3冊

   『中国系移民の故郷認識』(奈倉京子著)

   『インドネシアの学校と多文化社会』(金子正徳著)

   『海辺のカラオケ・「おやじ」のフォーク』(馬場雄司著)

 ◎『東南アジアの華人教団と扶鸞信仰』(黄 蘊著)

 ◎『新訂増補 古代カンボジア史研究』(石澤良昭著)

 ◎《あじあブックス2》『フィールドに出かけよう!』(日本建築学会比較居住文化小委員会編)

 ◎《あじあブックス3》『図説 上海』(岩間一弘・金野純他編著)

 ◎《あじあ選書2》『老師の恋』(井口淳子著)

 ◎《あじあ選書3》『ウオッカとキムチをどうぞ』(池田貴夫著)

 ◎『ベトナムの社会と文化8号』(ベトナム社会文化研究会編)


 その他、遅れ気味のものも鋭意準備中です。



 3,ホームページをリニューアルしました


 かねて、更新が滞っておりました小社ホームページが6月27日をもって、システムを一新してのリニューアルオープンとなりました。1999年の開設以来十数年間、手作りで運営しておりましたが、実はもう何年も前に使用HP作成ソフトがバージョンアップを停止し、新しいソフトを購入したものの習熟する時間が取れないまま、ずっと古いマックで古いソフトを起動して、と、だましだまし更新してきたものです。


 それが昨年暮れ、とうとう古いマックのハードディスクが寿命となり、外部のサイトシステムサービスを導入することにした次第です。既製品ですので、旧HPにあったいろいろな情報提供ページは特注扱いとなり費用が嵩むため、結局、簡易HP作成ソフトを急ぎ手習いし、オリジナルページとしてリンクさせることとしました。


 ですので、書籍情報に関しては外部委託の公式サイト、その他の情報は「社長の小部屋(Back Yard)」と称する手作りの私的サイトに置いております。見かけ上は一体ですし、HPのアドレスも従来通りですので、利用者からは、見栄え・使い勝手が数段は向上したリニューアルサイトとなるはずです。


 工事中のページもあり、リンク外れなど、不具合も残っているかと思いますが、どうか、今後ともよろしくご指導下さいますようお願い申し上げます。


 なお、公式サイトには「お知らせ」欄が、バックヤードには「ブログ」のページが付設されましたので、従来、年にせいぜい数回だったこの「通信」に加え、社のメッセージや社長の「たわごと」のチャンネルが増えることになります。どうぞ、そうしたコーナーもご愛読下さいませ。


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 いずれも、詳細は小社ホームページをご覧下さい。


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【後記】

 半年ぶりの通信です。すっかり遅くなりましたが、先般の震災で被災された方々には、心よりお見舞い申し上げます。また、原発事故にともなう多くの困難にも応援と連帯のメッセージをお送りしたいと思います。


 さて、2010年の秋から昨年度末にかけての半年は、小社始まって以来の忙しさでした。同時進行の点数の多さもさることながら、原稿到着から二ヵ月ほどで完成させるというほとんど不可能な仕事が幾つも重なり、さすがの社主もほとほと消耗し尽くし、終盤は外部スタッフを何人もお願いしての突貫工事の連続となりました。


 幸い、著者の皆さまの献身的な奮闘もあって、さまざまな期限をなんとかクリアできましたが、情けないことに、老骨の社主は4月半ばからほぼ二ヵ月たった今も、(個人的なダメージもあって)心身に不調が残り、従来の作業ペースを取り戻せない日々が続いております。この間、スケジュールがこなせずに多数の著者・執筆者にご迷惑をおかけしておりますこと、深くお詫び申し上げます。


 この数年、年間の刊行点数が20を上回るペースが続いて、お陰様で企業としては成長の一途という軌跡を残してきております。しかし、内実は年々老いていく一人出版社。積み残しの企画が重い宿題となってきており、自分で原稿を読まないまま刊行する本も増え、社主としては、仕事に追い回されるだけの年月となっています。


 ホームページのリニューアルも、従来なら、全て手作りで成し遂げたかった事業ですが、あいにくの不調や繁忙で断念せざるを得ませんでしたし、電子ブックやネット販売の活性化など、やりたい方向に足を踏み出せないもどかしい時間帯も続いています。


 もちろん、社主の老化に伴う処理能力の低下もありますが、これでは仕事に追い回されるだけ、ただ、原稿を右に左に回して本を作るだけの出版ブローカーになってしまいそうです。養鶏所のニワトリのように生産するモノになるのを厭って独立したはずが、元の木阿弥とはこのことです。


 リニューアルのために、既刊本のデータを整理していて気がつきました。創業当時の本作りがなんと楽しかったことかと。原稿と格闘し、著者本来のメッセージを少しでも彫琢していく、本来の編集の仕事に懐かしさを覚えた瞬間でした。もちろん、あの頃は点数も少なく、赤字を積み重ねていたのですから、企業としてはもってのほかの時間帯です。ただ、この数年のあり方も反省しなければならない、ということに気づかされたのは、大事な回心というべきでしょう。


 すでに、多くの新刊が実売100部までなかなか届かない時代(というか、売れ筋を狙わない小社の方針もありますが)、では、どうすればよいのでしょうか。今さら、多少売れそうな企画を狙って右往左往するか、これまで以上にブローカーとなって薄利多売に走るか、助成金か自費出版のみに特化するか。いやはや、いずれも、風響社の趣味ではありません。


 ここは、原点に戻り、たとえ売れ筋風にはまとめられていなくても意欲的な若手の業績などを、なるべくコストをかけずに手作りでいい本に仕上げていく、そんな作業を地道にくり返していくしかないと思っているところです。幸い、ベテランの先生方の応援もあり、年間に何点かは助成金やら補助がつく定期的な仕事も確保して頂いているので、それらをベースに追い回されないで手作りしていく、いわば身の丈にあった仕事をする、しかないというのが、とりあえずの回答です。


 さて、もう一つのお知らせです。100坪あった那須の倉庫もとうとう在庫で満杯となり、それまでただ平積みにしていたのを、一段棚をつくって二層構造にすることとしました。300点ほどの既刊本のうち年間10冊も売れないものが大半という現状ですので、この際、100冊あれば10年は品切れしないという計算のもと、不良在庫は思い切って整理させて頂きました。震災の影響で大工さんが払底し工事は7月以降ですが、この倉庫リニューアルによって、あと300点は入る計算となりました。


 ほとんど死んだも同然の二ヵ月間でしたが、外部の力を借りて、二つの懸案事項をクリアしたことになります。まだまだ、滞っている原稿やら急ぎの原稿など、課題は山積しておりますが、皆さまのお力をお借りしながら、なんとか乗り越えていきたいと思っております。どうか、よろしくお願いいたします。


 最後に、新ホームページの社長の小部屋付設ブログから、ご案内がてら書き込みを一つ転載しておきます。どの程度つぶやけるか分かりませんが、こんな調子で時折り書き連ねることにいたしますので、どうか覗いてやってみて下さい。


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 「6月27日って」


 1950年6月27日、トルーマン大統領が北朝鮮に宣戦布告。

 1968年6月27日、チェコスロバキアで二千語宣言が公表。

 1994年6月27日、松本サリン事件。


 さすがに、61年前の実体験はありませんが、プラハの春は若い心を揺さぶった出来事としていまも記憶に残ります。まるで絵に描いたような政治権力と言論の対峙。思えばこのあたりが思想の時代が終焉に向かう一つの分水嶺だったのかもしれません。そして、あのチャスラフスカの凛とした生き方は(後で分かるのですが)、時代を超えて感動的です。(歳が知れる!)


 ところで、タイプライターや印刷機の所在が公安当局にすべて把握されていたというのは、冷戦下の東側だけの話でしたっけ。 まさに、ベンジャミン・フランクリンが体現した、自由と独立は印刷機から生まれるという世界の、逆説的な肯定と言えるかも。


 それにしても半世紀ほど前は、情報の発信・複製・伝達のメインが紙への印字・印刷・回し読みであったわけで、かたや自由社会で紙の本の黄金期だったことがより鮮明に映し出されます。


 いまや、ネットの書き込みが瞬時にどこかの国あるいはどこかの企業に全て把握されている、時代なのかもしれませんが、爆発的に増える情報量に対して、どのくらい「監視」能力が追いついていけるのか。あるいは、巨大資本・権力なら能力に合わせて情報量を操作できるのか。


 もはや、ブラックボックスいやブラックホールのようになったネット空間の奥は、無数の人智を呑み込んで、そのあげくは単純なる貪欲の掌中にあるのかもしれません。


 そして、、、


 2011年6月27日、風響社のホームページがリニューアル。


 いやまったくお恥ずかしい。何の脈絡もなく、何の事件でもありませんが、日付つながりで。


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