七夕
七夕
2012年7月9日月曜日
週末の七夕の日、小松和彦先生の国際日本文化センター所長就任を教え子たちが祝う、というパーティに出席するため、 京都に行って来ました。社主は教え子ではありませんが、その方達が出している『比較日本文化研究』という雑誌の製作・販売を担当しているので、そのご縁ということです。
「恒例?」の高田衛先生の痛快・爆笑のご挨拶から始まった会はなごやかに進み、夢枕獏氏や須藤健一民博館長のスピーチなどで楽しく盛り上がりました。小松組の吉例にしたがって、二次会、三次会と京都の夜を楽しんだことももちろんです。
この数年は研究会に顔を出せなかったため、お互いに加齢なる変身を遂げていたりの「誰そ彼」状態で、刮目して眺め合う瞬間がいくつもありましたが、すっかりヒゲオヤジとなった社主もまさか妖怪「変化」であるはずもなく、いちおう認識はしあえたはずです。
ひさびさの京都ですから三条あたりの古書屋とか、哲学の道などめぐってみたかったのですが、翌日は東京で別の研究会があるので、早起きして駅へ。民博での研究会は間に合わずでしたが、脱線好きの社主にしてはかなり詰まった出張となりました。
そうそう。七夕の前日は台湾からの客人でした。旧知の出版社社長ですが、これも久闊を叙す、数年ぶりの再会とあって、すっかり話し込んでしまいました。
面白かったのは、台湾では読者より著者が多いよ、との言でした。あまたの人が著作をものする時代になっているそうです。戒厳令解除から本土化の進展に伴って、台湾の出版は劇的に変化しましたが、現在では政治性を突き抜けて、国民の総作家化という百家争鳴現象となっているのかもしれません。
日本では、総ブロガーみたいなところで発信が渦巻いていますが、本となるとお金もかかり、文章の量も多いので、たやすくはないでしょうから、その自己表現への欲求、自己表出のエネルギーは相当なものといえます。その核にあるものとは果たして何なのでしょうか。
本当はこの夏あたりに台湾へ行くつもりだったのですが、打ち合わせすべき著者の仕事が遅れていることや、母の入院もあって、やむなく延期です。
しばらく上海やら四川やらで大陸訪問が続き、台湾にはすっかりご無沙汰しています。夏になると無性に廟で線香の匂いを嗅ぎたいという欲求が湧きますが、なんとか近いうちに行って、エネルギーを感じてきたいものです。