くらうど
くらうど
2012年5月31日木曜日
この「社長の小部屋」を置いていたアップルのmobilemeのサービスがこの6月末で終了となり、iCroudに強制移転ということになったのですが、ここにはサイトを置けるようなサービスはないとのこと。仕方なく、プロバイダーの簡便なホームページ開設サービスを利用することにして、やっとこさデータを移したところです。
最近はやりのCroudって、文字通り雲のかなたのサーバーにデータやらソフトやら置いて、手元の端末に必要に応じてそれらを取り込んで作業することらしいのですが、古き電脳世代にはいまいちセキュリティを感じさせてはくれません。
英語でいわれると先進っぽいのですが、なにせ「雲」ですからね。実態は、どこか地価・電気代の安いところにずらりとならんだサーバーの中のディスク1枚に、小社の二十年におよぶ活動のすべてが保存されているという図でしょう。
もちろん、ちゃんとしたサービスならバックアップもセキュリティもわが社のはるか上を行っているはずですが、そこに至るネットワークはインターネット、どこをどう通っていくのやら、です。それでなくても、アマゾンやグーグルには法人・個人名義で積み重ねた購入履歴や検索履歴が蓄積されていて、社主の嗜好・趣味・金銭感覚などが何年分も保存されているはずです。
それに加えてクラウドですか。人生の行為がせいぜい何十ギガほどかの電子データとなって、巨大企業のどこやら知らぬディスクに保存され、自分の手元のデータは整理もつかぬ状態でぽろぽろ歯抜け。これがネットワークにつながる(繋がれた)人びとの大半の姿ということなのでしょう。
ハッカーに根こそぎ持って行かれたあげく、「想定外のやり口でした」などと謝罪会見されても、いったん流出したデータは元にもどりません。プライヴァシーも何もかもネットに浮遊するゴミと化してしまう、そんな悪夢はけしてないとは誰も言えないはずです。
意地張って、当分はクラウドサービスに依存しない態勢を保つつもりではおりますが、近い将来、そのようなハードやソフト環境は市場から消えてしまう、流れが想像されます。
さて、先日の金環日食、幸運にも雲間からしっかりとらえることができました。もちろん日食グラスから見た小さな白っぽいリングでしたが、テレビや新聞などで見る綺麗な画像、ドラマチックな映像より、リアルに感じられたのは、まだ五感にリアリティを持つことの出来る人間であることの証拠かもしれません。
まさか、すべての人生履歴をリアルに保管するような考えは持ちません。むしろ、記憶や履歴は人とともに次第に消えていくのだという、まっとうなリアリズムの世界にいたいと思うものです。
とりあえず、わが信ずべき蔵人は段ボール函でしょうか。ただ、入っているのは原稿用紙ではなく、フロッピーやらCD、コピーが多いのですが! ま、那須の倉庫に朽ちるまで置いておくことにいたしましょう。